財務・会計【0】科目概要・学習時の留意点

中小企業診断士1次試験合格を支援する「合格ドリル」です。

今回は、財務・会計の「科目概要・学習時の留意点」を解説します。

今回の学習ポイント

  • 財務・会計は「資金面から企業活動」を学ぶ科目。「会計(アカウンティング)」「財務(ファイナンス)」から構成される
  • 1次試験は電卓を使えないため、計算問題を手で解いて、慣れるようにしておく
  • 簿記に不安を感じる人は「簿記3級」の市販テキストをざっと読んでから、会計(アカウンティング)の勉強を始めるのが効果的。誰も解けない問題が出題されるので、気を取られ過ぎない
  • 財務(ファイナンス)は、類似の論点が繰り返し出題される。過去問を解いて、解法パターンや公式を覚えると高得点を狙える
目次

財務・会計の出題範囲(学習範囲)

最初に、中小企業診断士試験に記載されている「科目設置の目的」を確認しましょう。

科目設置の目的

  • 財務・会計に関する知識は企業経営の基本であり、また企業の現状把握や問題点の抽出において、財務諸表等による経営分析は重要な手法となる。
  • また、今後、中小企業が資本市場から資金を調達したり、成長戦略の一環として他社の買収等を行うケースが増大することが考えられることから、割引キャッシュフローの手法を活用した投資評価や、企業価値の算定等に関する知識を身につける必要もある。
  • このため、企業の財務・会計について、以下の内容を中心に知識を判定する。

簡単に言うと、財務・会計とは「資金面から企業経営に必要な知識を勉強する科目」です。

具体的には、「会計(アカウンティング)」「財務(ファイナンス)」の領域に分かれています。加えて、会計(アカウンティング)のベースとなる「簿記」に関する知識も学習する必要があります。

それぞれの出題範囲は以下になります(令和6年度から出題内容の表記が変わりますが、試験範囲に変更はありません)。

「会計(アカウンティング)」の出題範囲

  • 簿記の基礎
  • 企業会計の基礎
  • 原価計算
  • 経営分析
  • 利益と資金の管理
  • キャッシュフロー(CF)
  • その他会計に関する事項

「財務(ファイナンス)の出題範囲

  • 資金調達と配当政策
  • 投資決定
  • 証券投資論
  • 企業価値
  • デリバティブとリスク管理
  • その他財務に関する事項

試験範囲は非常に広いです。深入りしすぎないことが大切です。

財務・会計の特徴・学習時の留意点

財務・会計は、1次試験だけでなく、2次試験でも問われる非常に重要な科目です。

2次試験では、80分の中で、診断企業の貸借対照表、損益計算書から「経営分析」を実施するだけでなく、「CVP分析」「投資の意思決定」などの計算問題を解く必要があります。

また、簿記の基礎知識の有無により、必要な勉強時間が異なり、得意・不得意が分かれやすいのも特徴です。

なお、会計(アカウンティング)と財務(ファイナンス)の違いも理解しておきましょう。

会計(アカウンティング)と財務(ファイナンス)の違い

  • 会計(アカウンティング)
    • 利益(収益-費用)の観点から企業の財政状態・経営成績をチェック・改善点を抽出
    • 財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)、原価計算が主な領域
    • 過去から現在に関する領域
  • 財務(ファイナンス)
    • 企業価値の最大化に向けて、「資金調達」「投資判断」「利益分配」に関する意思決定を扱う
    • 現在から将来に対する意思決定

一般的には、会計(アカウンティング)から勉強することが多いです。もし、簿記を勉強したことがない人は「簿記3級」の知識をインプットしておくことが大事です。

「合格ドリル」でも、簿記概論として説明しますが、不安を感じる方は「簿記3級」の市販テキストをざっと読むことをお勧めします。

なお、中小企業診断士1次試験では、簿記2級に関連する部分もありますが、深入りはしないで、過去問で出題された部分を勉強するようにしましょう。

会計(アカウンティング)では、確実に取れる問題を確実に取ることが大事です。直近では、減価償却の問題で「200%定率法」が出題されましたが、受験生の多くが「何それ?」と思ったはずです。こういった問題は誰も解けないので、気にしないようにしましょう。

一方、財務(ファイナンス)は、企業価値の最大化に向けて、「資金調達」「投資判断」「利益分配」に関する意思決定を扱います。また、「証券投資論」「デリバティブ」なども含まれるため、難しく感じる受験生が多いようです。

ただし、過去問を見るとわかりますが、財務(ファイナンス)は類似の論点が繰り返し出題されています。何度も過去問を解いて、解法パターンや公式を覚えると、高得点を狙うことができます。

ちなみに、会計(アカウンティング)、財務(ファイナンス)ともに、1次試験では電卓を使うことができません。過去問を解いて、計算問題に慣れるようにしましょう。

財務・会計の特徴・学習時の留意点

  • 知識をインプットしたら、早めに過去問をチェックして問題に慣れることが大事。1次試験は電卓が使えないため、計算問題は手を動かすようにする
  • 会計(アカウンティング)は、誰も分からない問題が出題されるが気にしない。確実に取れる問題を確実に取れば合格点に到達する
  • 財務(ファイナンス)は、類似の論点が繰り返し出題される。何度も過去問を解いて、解法パターンや公式を覚えると、高得点を狙える。最後は暗記してしまうのも有効

まとめ

今回は「財務・会計の科目概要・学習時の留意点」について解説しました。

財務・会計の科目概要・学習時の留意点

  • 財務・会計は「資金面から企業活動」を学ぶ科目。「会計(アカウンティング)」「財務(ファイナンス)」から構成される
  • 1次試験は電卓を使えないため、計算問題を手で解いて、慣れるようにしておく
  • 簿記に不安を感じる人は「簿記3級」の市販テキストをざっと読んでから、会計(アカウンティング)の勉強を始めるのが効果的。誰も解けない問題が出題されるので、気を取られ過ぎない
  • 財務(ファイナンス)は、類似の論点が繰り返し出題される。過去問を解いて、解法パターンや公式を覚えると高得点を狙える

中小企業診断士は難関資格ですが、正しく勉強すれば、1~2年で合格できます。

できるビジネスマンへの第一歩として、中小企業診断士の勉強を考えてみてください。

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この記事を書いた人

中小企業診断士(令和2年度合格)

令和元年度、1次試験合格(通信講座)
その年の2次試験はあえなく不合格。
翌年は3ヶ月の完全独学で2次試験に合格。

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